「カリスマフード」畑中三応子著

公開日: 更新日:

 肉と牛乳と米は日本人のカリスマフードである。牛肉は明治政府の富国強兵政策によって導入され、軍隊がいち早く牛肉食を取り入れた。

 明治33年の日本人1人当たりの年間畜肉消費量はわずか912グラムなのに、日清、日露戦争当時、将校には牛肉が1日1人当たり300グラムも支給されていた。軍隊で重用されたのは、コンビーフや水煮などより米飯のおかずになる大和煮の缶詰で、缶詰になったときだけ「大和煮」という勇ましい名前が付く。これが初めて肉に和風の味付けをした記念すべき国産缶詰第1号である。

 身近なカリスマフードを通して日本の近現代史を見るというユニークな一冊。(春秋社 1900円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった