「東京クルージング」伊集院静著

公開日: 更新日:

 伊地知先生と呼ばれるベテラン作家の「私」は、松井秀喜の活躍を追うドキュメンタリー番組の企画で、三坂剛という青年に出会う。

 そこで、番組づくりに真摯に取り組む彼の人柄を知り意気投合したが、好青年である彼が、ずっと独り身でいることが気になっていた。

 そんな「私」の気持ちを察したのか、三坂は、結婚を約束した女性が、ある日突然失踪してしまったという、つらい過去を打ち明ける。

 彼女を忘れられないと訴える彼に、「私」は残酷かもしれないと思いながらも、彼女のことを忘れて再出発することを勧めるのだが……。

 昨年、紫綬褒章を受章した人気作家による、出会いと別れの奇跡を描いた長編小説。

 2015年2月~16年10月にかけて信濃毎日新聞などの地方紙に連載されていた当時から、切なすぎる設定が話題を呼んだ。

 著者自身を彷彿させる「私」の視点から描かれた第1部と、三坂のもとから去らざるを得なかった女性の視点から描かれた第2部の2部構成になっている。(KADOKAWA 1600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「豊臣兄弟!」白石聖が大好評! 2026年の毎週日曜日は永野芽郁にとって“憂鬱の日”に

  2. 2

    川口春奈「食べ方が汚い」問題再燃のお気の毒…直近の動画では少しはマシに?

  3. 3

    あの人「なんか怖い」を回避する柔らかな言葉遣い

  4. 4

    自分探しで“変身”遂げたマリエに報道陣「誰だかわからない」

  5. 5

    (1)高齢者の転倒は要介護のきっかけになりやすい

  1. 6

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  2. 7

    「誰が殺されてもおかしくない」ICE射殺事件への抗議デモ全米で勃発

  3. 8

    解散総選挙“前哨戦”で自民に暗雲…前橋出直し市長選で支援候補が前職小川晶氏に「ゼロ打ち」大敗の衝撃

  4. 9

    業績悪化で減収減益のニトリ 事業の新たな柱いまだ見いだせず

  5. 10

    チンピラ維新の「国保逃れ」炎上やまず“ウヤムヤ作戦”も頓挫不可避 野党が追及へ手ぐすねで包囲網