「欠歯生活」北尾トロ著

公開日: 更新日:

 約15年前のある日、妻と家で食事をしていて、オムレツの一切れを口に入れたとき、噛んだ右側のアゴが急に軽くなったような気がした。なんということか、1992年に七十数万円をかけて入れたインプラントの奥歯が折れていたのだ。

 慌ててそのインプラント治療をしてくれた歯医者に駆け込んだら、「あっ、折れてますね」と平然と言われ、「10年間は保証すると言ってたけど、まさか、保証期間が過ぎてすぐに壊れるとは」と釈然としない思いのまま、赤坂にあるそのクリニックの本店に行くと、そこでもまたインプラを勧められた。費用は5本で350万円なり。

 ここから、著者の医者探しの放浪の旅が始まった。そして最後に出合ったジルコニアフレームという新技術とは何だったのか。涙と笑いの欠歯ノンフィクションである。(文藝春秋 1700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦

  2. 2

    永野芽郁に貼られた「悪女」のレッテル…共演者キラー超えて、今後は“共演NG”続出不可避

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

  5. 5

    巨人キャベッジが“舐めプ”から一転…阿部監督ブチギレで襟を正した本当の理由

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    三角関係報道で蘇った坂口健太郎の"超マメ男"ぶり 永野芽郁を虜…高畑充希の誕生日に手渡した大きな花束