「幻屍症 インビジブル」周木律著

公開日: 更新日:

 ユタカは、海に囲まれた孤島の孤児院「四水園」で外の世界を知らずに育った。園には6歳から15歳までの男子数百人が暮らしている。園生のいじめに耐えるユタカには、誰にも打ち明けていない秘密があった。人物やモノの卓越した部分が歪んで見えるのだ。絵が上手な友人は指先が、走るのが速い友人は足が、というように。ユタカはこの病気を自ら「幻視症」と名付けていた。

 ある日、ミツルという園生が話しかけてきた。ミツルは自らの存在感をひたすら消して島での生活を送ってきたという。ユタカの能力に気づいていたミツルは、2人で園に伝わる4つの謎「四忌」を解き明かそうと持ちかけてくる。世の中から隔離された孤島の孤児院を舞台にした長編ホラー。(実業之日本社 648円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  2. 2

    自維連立に透ける実現不能の“空手形”…維新が「絶対条件」と拘る議員定数削減にもウラがある

  3. 3

    自維連立が秒読みで「橋下徹大臣」爆誕説が急浮上…維新は閣内協力でも深刻人材難

  4. 4

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  5. 5

    ラウールが通う“試験ナシ”でも超ハイレベルな早稲田大の人間科学部eスクールとは?

  1. 6

    ポンコツ自民のシンボル! お騒がせ女性議員3人衆が“炎上爆弾”連発…「貧すれば鈍す」の末期ぶりが露呈

  2. 7

    日本ハム1位・伊藤大海 北海道の漁師町で育った泣き虫小僧

  3. 8

    米倉涼子の薬物逮捕は考えにくいが…業界が一斉に彼女から手を引き始めた

  4. 9

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  5. 10

    影山雅永JFA技術委員長の“児童ポルノ逮捕”で「森保監督がホッとしている情報」の深層