「病巣」江上剛著

公開日: 更新日:

 主人公は、総合電機メーカー芝河電機に勤める瀬川大輔。赴任先のミャンマーの発電所を落札するため、中国・韓国に勝てる受注額を巡ってギリギリの攻防をしていたが、突然本社から赤字額での落札の指示が飛び、納得のいかないまま受注を勝ち取った。

 どうやら裏で日本政府の強い意向が働いていたらしい。

 その後、日本に戻った瀬川だったが、当然行われなければならないはずの損失引当金の処理が経理で行われていないことを知り、抗議したものの上司に有無を言わさず却下されてしまう。さらに、そんなやりとりが行われたことを知ったある社員が、不正経理の証拠となる書類を瀬川に託したまま自殺してしまった。実態を知り愕然とする瀬川は、悩んだ末にある大きな決断に踏み切るのだが……。

 社会問題を映し出す経済小説の分野で定評のある著者による最新作。粉飾決算がどのように始まり、組織がどう崩壊していくのか、まるで内部潜入したかのように描写されている。(朝日新聞出版 1600円+税)

【連載】週末に読みたいこの1冊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・藤川監督に「裸の王様」の懸念 選手&スタッフを驚愕させた「コーチいびり」

  2. 2

    巨人はCSファーストSで敗退濃厚…今季DeNAと13勝12敗“ほぼ互角”に潜む落とし穴

  3. 3

    “引退説”の巨人・坂本勇人は来季も現役続行か…「特に二塁打記録更新には強い意欲」の証言

  4. 4

    簗農相「予算カット」恫喝発言が飛び火! 信じられない国交省調査で井林大臣は“火ダルマ”必至

  5. 5

    阪神が佐藤輝明のメジャー流出に備え“金満補強”か…吉田正尚、元MVPゴールドシュミットら浮上

  1. 6

    久保建英は所属クラブでの評価いまひとつ…人気俳優・福原遥との電撃婚でひと皮むけるのか

  2. 7

    『トゥ・オブ・アス』冷め切った関係で美しくハモる二度と共に歌えない2人の業

  3. 8

    壇蜜フルヌード「手取り33万円」の衝撃…芸能界“安すぎ”ギャラの相場と現在値

  4. 9

    (上)内閣改造をめぐる暗闘、そして保身…玉虫色の決着

  5. 10

    巨人2年連続V逸で再び始まる“見境なしの大補強”…床田、坂倉、吉田正尚に小園海斗まで照準