「成功の食事法」菅原道仁著

公開日: 更新日:

 仕事でのパフォーマンスを最大化するために必要なことは、食欲を制することだと脳神経外科医の著者は言う。食べ過ぎると副交感神経が優位な状態が続く。これは消化器の活動を活発にするためだが、集中力が欠如して判断力も鈍るため、仕事にはひとつもいいことがない。

 食欲は、2つのホルモンを操ることで抑制が容易になる。脳の視床下部に“満腹”というサインを送る「レプチン」と、摂食中枢を刺激して食欲を感じさせる「グレリン」だ。つまり、血液中にレプチンを増やしてグレリンを抑えてやることができれば、食べ過ぎが起こらなくなる。そのための簡単な方法が、睡眠運動だ。

 睡眠時間が短いとグレリンが増えてレプチンが減り、食欲が暴走することが明らかになっている。

 また、運動すると「ペプチドYY」と「GLP―1」というホルモンが分泌され、グレリンが抑制されることが分かっているそうだ。

 食事の仕方にも工夫が必要だ。まずは、1日3回ではなく2回にシフトする。これだけで、1日のインスリン分泌回数が減り、糖尿病のリスク軽減につながる。

 1日の中で1分でも長く“完全な空腹の時間”をつくるのもお勧めだ。慢性疲労が改善し、思考も冴えて仕事のパフォーマンス向上につながると本書。

 食べ方を変えれば、健康と仕事の成功、両方を手に入れることができるかもしれない。(ポプラ社 1400円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  4. 4

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  5. 5

    2025年は邦画の当たり年 主演クラスの俳優が「脇役」に回ることが映画界に活気を与えている

  1. 6

    真木よう子「第2子出産」祝福ムードに水を差す…中島裕翔「熱愛報道」の微妙すぎるタイミング

  2. 7

    M-1新王者「たくろう」がネタにした出身大学が注目度爆上がりのワケ…寛容でユーモラスな学長に著名な卒業生ズラリ

  3. 8

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  4. 9

    高市政権の積極財政は「無責任な放漫財政」過去最大122兆円予算案も長期金利上昇で国債利払い爆増

  5. 10

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手