「健康でいたいなら10秒間口を開けなさい」吉野敏明著

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「現代人は常に歯を食いしばっている」と言われても、多くの人が自分は違うと思うだろう。しかし、口を閉じた状態で歯と歯が接触している時点で、それは食いしばりであると歯科医の著者は言う。正常な状態では、上唇と下唇が接触していても上の歯と下の歯の間に2~3ミリの隙間がある。しかし、現代人の90%以上は、唇を閉じると歯が当たる食いしばりの状態になっているという。

 この状態が続くと、全身にさまざまな不調が表れる。顎関節症はもちろんのこと、内耳神経などに負担がかかり、めまいを引き起こす。頚椎・胸椎・腰椎・骨盤にもズレが生じ、つらい肩凝りや腰痛の原因にもなるのだ。

 食いしばりの最大の原因は、パソコンやスマホの操作。頭を15度傾ければ首には12キロの負担がかかり、支えるためには歯を食いしばって力を出すしかない。とはいえ、これらを使わない生活はもはや不可能だ。本書では、食いしばりを解くための日々の工夫も紹介している。まず、真っすぐ前を向いて歩くこと。足元を見たり、ながらスマホをやめるだけで、歩行中の食いしばりが改善される。また、気づいたときに1回10秒、口をぽかんと開けるだけでもいい。食いしばりの自覚と改善に役立つそうだ。

 治りにくい不調があるなら、食いしばりを意識してみては?(PHP研究所 840円+税)

【連載】長生きする読書術

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