「日本男子♂ 余れるところ」高橋秀実著
女性にとって「イク」とはどんな感覚なのか尋ねても、アンケートで7割が「満足している」、3割が「満足していない」と答えるだけで実態は不明。「AVが悪い!」という声もある。欧米の映画は「性」と「愛」が融合する世界を描こうとしているが、日本映画は「性」と「愛」を分離して、「愛」は不倫や死を軸にして描くので道徳的になる。
「性」はもっぱらAVが担当し、男たちの勝手な思い込みで過剰な演出と不自然な喘ぎ声ばかり。男はそれを「イク」と勘違いしている。
そんなAVを見た女性が自分の喘ぎ声は実は演技だと気づいて、自然に喘げなくなるという。(「阿吽阿吽」)
「性」の真実(?)に迫る証言の数々に、思わずうなずいてしまう一冊。
(双葉社 1500円+税)