「暮らしのなかのニセ科学」左巻健男著
世の中にはびこる科学的根拠のない「ニセ科学」のウソを暴き、警告するサイエンステキスト。
ニセ科学は、人々の病気への不安心理につけ込み、健康をめぐる分野で特に蔓延している。膵臓がんで亡くなったアップルの創業者スティーブ・ジョブズでさえ、ニセ科学の民間療法を9カ月実践し手遅れになってしまったという。
なぜ人はニセ科学を信じてしまうのか、そのメカニズムを解説した上で、ジョブズもはまったコーヒー浣腸や、アガリスク、サメ軟骨などのがん治療をはじめ、健康に良いとされる各種の水、ホメオパシー、経皮毒、デトックス、マイナスイオン、EM菌など、健康の他にも暮らしの隅々に忍び込むニセ科学を一刀両断する。
(平凡社 800円+税)