「ねじの回転」ヘンリー・ジェイムズ著、小川高義訳
19世紀末に発表されたホラー小説の先駆けともいえる名作の新訳。
「私」はロンドン郊外の屋敷に暮らす兄妹の家庭教師の職を得る。兄妹の両親は既に亡く、2人を引き取った伯父に雇われたのだ。屋敷に到着した私は、家政婦のグロースの話から前任者が若くして死んだことを知る。しかし、死因までは教えてもらえなかった。不安を抱く私だが、兄妹と過ごす日々は楽しく、やりがいに満ちていた。気がかりなのは、兄のマイルズが通う学校の校長から届いた放校処分の通知だった。そんなある日、私は屋敷の敷地内で見たことのない男を見かける。グロースによると、男は兄妹の伯父の世話係だったクイントだと思われるが、クイントも既に死んでいるという。
(新潮社 490円+税)