「聖剣裁き 浅草三十八文見世裏帳簿」倉阪鬼一郎著

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 元盗賊の銀次は、隠密廻り同心・沼上に見込まれ、浅草の三十八文均一の小間物屋・銭屋の主に収まっている。ある日、下り酒問屋の大坂屋に押し込み強盗が入り、賊は一族を殺したうえに火を放つ。2日後、事件の生き残りの大坂屋の次男・竹吉が銭屋に「見えずの品」を求めて訪ねてきた。銭屋では町方では裁けない悪人を探り出して成敗する殺しを「見えずの品」と称して商っているのだ。竹吉の復讐を三十八文で請け負った銀次らが調べると、現場の柱に刻まれた刻印から、岩飛の申蔵という盗賊が浮かぶ。かわら版を使って申蔵の悪行を世間にさらすと、なぜか当の申蔵が奉行所に名乗り出てきた。

 北町奉行の隠密廻りが闇から闇へと悪を成敗する長編時代活劇。

 (コスミック出版 650円+税)

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