「涙の招待席 異形コレクション傑作選」井上雅彦編

公開日: 更新日:

 井上氏が14年をかけて編んだ全48巻のアンソロジー(1240作品)からとっておきの涙を誘う作品を抽出した傑作選。

 久志は、母校の村の分校がダムの底に沈むと知り、仕事を休み、車を走らせる。分校は、久志が6年生の時に廃校になり、以来、21年ぶりの訪問だ。村全体が見渡せる峠の展望台で、分校の最後を見送ろうと車を降りると、同じ分校に通っていた仲間たちが出迎えてくれる。みな、思いは同じようだった。昔話に花を咲かせていると、この場にはいない、最年少だった子の話題になる。その存在を皆が覚えているのに、なぜか名前が出てこない。埋めたタイムカプセルのことを思い出した久志らは湛水が始まった村に下りていく。(梶尾真治著「再会」)

(光文社 660円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 4

    大山悠輔に続き石川柊太にも逃げられ…巨人がFA市場で嫌われる「まさかの理由」をFA当事者が明かす

  5. 5

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  3. 8

    どうなる?「トリガー条項」…ガソリン補助金で6兆円も投じながら5000億円の税収減に難色の意味不明

  4. 9

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  5. 10

    タイでマッサージ施術後の死亡者が相次ぐ…日本の整体やカイロプラクティック、リラクゼーションは大丈夫か?