「真夜中の太陽」ジョー・ネスボ著 鈴木恵訳
オスロを逃げ出したヨンは、白夜で一日中太陽が沈まないノルウェー極北の寒村・コースンにたどりつく。少数民族・サーミ人の村だ。教会で一夜を過ごしたヨンは、翌朝、教会の堂守のレアとその息子・クヌートと知り合う。偽名を名乗り、狩猟が目的だとウソをつくヨンに、レアは村はずれの狩猟小屋で寝泊まりするよう勧める。銃を列車に忘れてきたと語るヨンに、レアはタラ漁で不在の夫のライフルまで貸してくれる。オスロで「漁師」と呼ばれる麻薬密売の元締に雇われ、集金人兼始末屋をしていたヨンは、殺せと命じられた標的に買収され、逃げてきたのだ。追っ手に怯えながら暮らすヨンは次第にレア母子と心を通わす。
北欧ミステリーの名手による最新刊。
(早川書房 1700円+税)