「人類滅亡小説」山田宗樹著

公開日: 更新日:

 マンションの屋上から飛び降りようとした吉井沙梨奈は、一瞬、空を見上げた。灰色の雲塊の中に毒々しい赤い雲がある。それが「コロニー雲」だと知って、「人類、滅亡しちゃうんだ」と思ったら気が楽になって死ぬのを延期した。

 佐賀県の沖で、魚が大量に浮いているのが発見された。10日前、有明海でコロニー雲が発生したが、そのコロニー雲が消えたとおぼしい海域だった。保健衛生研究所水質調査部の弓寺修平はコロニー雲の影響だと考えるが、他の者は信じない。 そして、自然環境が激変し、人類滅亡の危機が迫るなか、生き延びるために人々はシールドポリス建設などを試みるのだった。

「嫌われ松子の一生」の著者がたどり着いた、平成版“日本沈没”といえる壮大なSF小説。

(幻冬舎 1800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    横浜流星「べらぼう」ついに8%台に下落のナゼ…評価は高いのに視聴率が伴わないNHK大河のジレンマ

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る

  5. 5

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  1. 6

    元横綱白鵬が突然告白「皇帝の末裔」に角界一同“苦笑”のワケ…《本当だったらとっくに吹聴しています》

  2. 7

    元横綱白鵬 退職決定で気になる「3つの疑問」…不可解な時期、憎き照ノ富士、親方衆も首を捻る今後

  3. 8

    阿部巨人の貧打解消策はやっぱり助っ人補強…“ヤングジャイアンツと心中”の覚悟なし

  4. 9

    山本舞香は“ヤンキー”より“令嬢”がハマる?「波うららかに、めおと日和」《ふかふみコンビ》で人気急上昇

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも