「人類滅亡小説」山田宗樹著

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 マンションの屋上から飛び降りようとした吉井沙梨奈は、一瞬、空を見上げた。灰色の雲塊の中に毒々しい赤い雲がある。それが「コロニー雲」だと知って、「人類、滅亡しちゃうんだ」と思ったら気が楽になって死ぬのを延期した。

 佐賀県の沖で、魚が大量に浮いているのが発見された。10日前、有明海でコロニー雲が発生したが、そのコロニー雲が消えたとおぼしい海域だった。保健衛生研究所水質調査部の弓寺修平はコロニー雲の影響だと考えるが、他の者は信じない。 そして、自然環境が激変し、人類滅亡の危機が迫るなか、生き延びるために人々はシールドポリス建設などを試みるのだった。

「嫌われ松子の一生」の著者がたどり着いた、平成版“日本沈没”といえる壮大なSF小説。

(幻冬舎 1800円+税)

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