「宴の前」堂場瞬一著

公開日: 更新日:

 16年間、県知事を務めた安川美智夫は、引退表明はしたものの、後継者を決められずにいた。

 副知事の白井が後継者になると思われていたのだが、選挙の告示2カ月前という時点で、白井がくも膜下出血で倒れる。そのころ、県出身の元五輪メダリストでJOCの強化委員を務める中司涼子は、アルペン競技について地元紙のインタビューを受けていた。これがいいタイミングかもしれないと思いついた涼子は「私、知事選に出ようと思います」と切り出す。

 一方、白井が急死し、安川は後継候補に考えていた人物の女性問題が発覚し、後継者を決められない。そして、ある決断をする。

 地方の「王権」をめぐる熾烈(しれつ)な争いを描く選挙小説。

(集英社 1800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  2. 2

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  3. 3

    元日本代表主将DF吉田麻也に来季J1復帰の長崎移籍説!出場機会確保で2026年W杯参戦の青写真

  4. 4

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  5. 5

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 7

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 8

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾