「土・牛・微生物」デイビッド・モントゴメリー著 片岡夏実訳

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 牛などの反すう動物のげっぷにはメタンガスが多く含まれ、それが地球温暖化を進めていると、あたかも温暖化の元凶のようにいわれている牛だが、本書では逆に、温暖化を防止する救世主として登場する。土・牛・微生物と三題噺めいたタイトルだが、現在の地球環境を取り巻く問題を土壌の側面から包括的に論じたもの。著者は既に「土の文明史」「土と内臓」を上梓しており、本書は土3部作の完結編だ。

 開巻劈頭(へきとう)「革命が起きようとしている――土壌の健康の革命が」という刺激的な言葉が飛び込んでくる。逆にいえば、現在地球上の土壌が危機に瀕しているということにほかならない。著者によれば、世界各地の耕作地の3分の1が劣化しており、それに比して作物生産力も低下している。このままいけば深刻な食糧危機を招きかねない。

 その元凶は犂(すき)、化学肥料、農薬。犂などで土を掘り起こすと養分を蓄えている土壌の表面を押し流してしまう。窒素、リンなどの化学肥料の大半は作物に吸収されずに川や海に流れ込み汚染を引き起こす。農薬はいわずもがなだろう。

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