「小水力発電が地域を救う」中島大著

公開日: 更新日:

 1981年、エコブームを背景に有機農業、反原発などをテーマに掲げていた、学者、市民団体などが「水車むら会議」という団体を立ち上げ、そのシンボルとなる上掛け水車の建設を始めた。

 当時学生だった著者が、この工事に参加したのは翌82年のこと。以来、2005年にはボランティアで小水力利用推進協議会を、09年には小水力開発支援協会という社団法人を設立する。

 こうした活動を通して、次々と山村が蘇っていく岐阜県九頭竜川流域の石徹白地区。著者自身が現地調査して、小水力発電は十分可能と判断、16年には農協営発電所が運転を開始した。この他、熊本では棚田発電を利用するなど、地域の事情に見合った開発で数々の成果を上げていった。本書は未来の山村を活性化するための新たな提言書。 (東洋経済新報社 1400円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  2. 2

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  3. 3

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  1. 6

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  2. 7

    JLPGA専務理事内定が人知れず“降格”に急転!背景に“不適切発言”疑惑と見え隠れする隠蔽体質

  3. 8

    「俳優座」の精神を反故にした無茶苦茶な日本の文化行政

  4. 9

    (72)寅さんをやり込めた、とっておきの「博さん語録」

  5. 10

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動