「県民には買うものがある」笹井都和古著

公開日: 更新日:

「私」とヒロミちゃんは高校3年生。受験を終えて、若さを持て余したような漠然とした後悔が押し寄せていた。男を知らないことだけで、自分だけ画素の粗い世界にいるような、まごつきの中にいる。

 2カ月前、SNSの「滋賀県コミュニティ」で知り合った林田くんは、生まれてから25年間、滋賀で育って干からびきっている。今日も彼の車で湖岸道路から琵琶湖大橋方面に行き、ラブホテル街に流れ込むという滋賀中のカップルのお決まりのルートをなぞることになるだろう。滋賀ではミニシアター系の映画が好きな男より、車を持っている男のほうが強いのだ。(表題作)

 自分の環境に欠けている何かを満たそうともがく青春を描いた短編5編。

 (新潮社 1400円+税)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ナゾの男が骨董店で中古ピアノを演奏…話は意外な展開に!

  2. 2

    台紙の上部には見えないのに下部にだけ広がる「斜線」の謎

  3. 3

    米倉涼子は独立から半年 次回作が決まらない「2つの理由」

  4. 4

    抗議殺到!イソジン吉村と大阪モデルの化けの皮が剥がれる

  5. 5

    堀田茜と紫吹淳も離脱…オスカー崩壊の裏に恐怖の社内改革

  6. 6

    11点差の負け試合に野手登板 G原采配「最善策」の違和感

  7. 7

    先の大戦と酷似 デマと精神論が蔓延するコロナ禍ニッポン

  8. 8

    巨人の快進撃を支える「神走塁」 地味ながら凄い3人の正体

  9. 9

    ドラマで描かれないシーン 古関裕而は無類の愛煙家だった

  10. 10

    裕次郎さんの自宅から遺跡が…本人と石原プロ社員の神対応

もっと見る