「官僚制と公文書」新藤宗幸著

公開日: 更新日:

 明治近代化以降、精緻に制度化された官僚制は経済社会の発展に寄与してきたが、それゆえに自己改革の機会を逸してきた。一方で近年、官僚制に依存した政治からの脱却が試みられ、官僚組織は組織が達成すべき明確な目標を失いつつあると著者は指摘する。

 官僚制の行動は、文書主義を原則とする。しかし、森友・加計疑惑が、公文書の改ざん、隠匿、関係機関間・当事者間での公文書の真贋(しんがん)争いなど、その原則が実は闇だらけであることを世間に知らしめ、行政への信頼は地に落ちた。

 本書は、官僚制における文書管理問題を解説。安倍長期政権による政権主導が官僚制の行動にいかなる変容をもたらしたかを論じ、公文書管理の視点から官僚制組織改革のあり方を考察する。

 (筑摩書房 820円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    キンプリファンには“悪夢の7月”…永瀬廉&髙橋海人「ダブル熱愛報道」で心配な大量ファン離れ

  2. 2

    田中将大の日米通算200勝“足踏み”に巨人の営業がほくそ笑むワケ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平 本塁打王争いでシュワーバーより“3倍不利”な数字

  4. 4

    桑田佳祐も呆れた行状を知っていた? 思い出されるトラブルメーカーぶりと“長渕ソング騒動”

  5. 5

    《浜辺美波がどけよ》日テレ「24時間テレビ」永瀬廉が国技館に現れたのは番組終盤でモヤモヤの声

  1. 6

    キンプリ永瀬廉と熱愛報道で浜辺美波の最新写真集どうなる? NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」の行方も左右

  2. 7

    方向性が定まっていない横山裕にとって「24時間マラソン」は、今後を占う大事な仕事だ

  3. 8

    「ポスト石破」最右翼の小泉農相“進次郎構文”また炸裂の不安…NHK番組で珍回答連発

  4. 9

    巨人に漂う不穏な空気…杉内投手チーフコーチの「苦言連発」「選手吊るし上げ」が波紋広げる

  5. 10

    正捕手・甲斐拓也の骨折離脱が巨人に「プラス」の根拠とは???