「富士山噴火」藤井敏嗣著

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「富士山噴火」藤井敏嗣著

 多くの人は富士山を休火山と思い込んでいるが、火山学上は休火山という定義はなく、富士山の次の噴火はいつ起きてもおかしくないという。

 火山の寿命はおよそ50万~100万年だが、富士山の寿命はおよそ10万歳で、人間に例えるなら最も活発な青年時代に相当。過去の記録や最新研究から、5600年前から最後の1707年の宝永噴火まで、ほぼ30年に1回の割合で噴火が発生していたことが明らかになっている。

 そんな富士山の噴火の履歴や、噴火したらどのようなことが起こるのか、そして火山噴火のメカニズムや、ほかの火山と異なり富士山では玄武岩マグマによる噴火が多い理由、さらに噴火を予知するために行われている観測手法や噴火への備えまで。さまざまな視点から富士山噴火を論じたテキスト。 (岩波書店 1100円)

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