「暁天の星」葉室麟著

公開日: 更新日:

 明治21年、黒田清隆内閣で、陸奥宗光は特命全権大使としてワシントンに赴任した。太平洋を渡る船の中で、陸奥は妻の亮子に、幕末は尊攘派と徳川幕府、明治には新政府と不平士族との闘いだったが、これからは日本人として、諸外国との闘いが始まると語った。

 ある日、駐米公使館のパーティーで、メキシコ公使のロメロと知り合った。ロメロは、日墨修好通商航海条約を結ぶべきだと言う。日本は欧米諸国に引け目を感じて、まずイギリスやフランスとの不平等条約を改正しようとしているが、欧米諸国以外の国との交渉を優先すべきだと。

「日本人外交官」として不平等条約の改正に取り組んだ陸奥宗光の生涯を描いた未完の大作。他に短編や細谷正充の解説を収載。

(PHP研究所 1700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  3. 3

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  4. 4

    高市政権大ピンチ! 林芳正総務相の「政治とカネ」疑惑が拡大…ナゾの「ポスター維持管理費」が新たな火種に

  5. 5

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  1. 6

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 7

    沢口靖子vs天海祐希「アラ還女優」対決…米倉涼子“失脚”でテレ朝が選ぶのは? 

  3. 8

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  4. 9

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  5. 10

    高市政権マッ青! 連立の“急所”維新「藤田ショック」は幕引き不能…橋下徹氏の“連続口撃”が追い打ち