「夜間飛行」北迫薫著

公開日: 更新日:

 岬の町の料亭、富貴楼で、経営者の増澤干支吉の娘、裕子の葬儀が行われた。県知事や代議士、芸能人の花輪が並ぶ会場に黒塗りのハイヤーが止まり、強い香りとともに降りてきたのは、まるで結婚式に招かれたようないでたちの奇妙な一団だった。その中の一人、髪を七三に分けてポマードで固め、ネクタイにダークスーツ姿の人物は、誰が見ても女だったが、過剰にまで男としてふるまっていた。後日、東京からチョコレートのギフトセットが届いた。送り主は銀座「姫」のママ、山口洋子だった。裕子は「姫」のナンバーワン「女給」だったのだ。

 昭和の文士たちに愛され銀座の華とうたわれた女の数奇な人生を描く。

(新潮社 1600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    バタバタNHK紅白 高視聴率でも今田美桜、有吉弘行らMC陣は負担増「出演者個々の頑張りに支えられた」

  2. 2

    松山千春がNHK紅白を「エコひいき」とバッサリ!歌手の“持ち時間”に求めた「平等」の正当性を考える

  3. 3

    「将軍 SHOGUN」シーズン2も撮影開始 2026年は柄本明、平岳大ら海外進出する日本人俳優に注目

  4. 4

    ロッテ前監督・吉井理人氏が2023年WBCを語る「大谷とダルのリリーフ登板は準決勝後に決まった」

  5. 5

    菊池風磨のカウコン演出に不満噴出 SNS解禁でSTARTO社の課題はタレントのメンタルケアに

  1. 6

    ロッテ前監督・吉井理人氏が佐々木朗希を語る「“返事もしなかった頃”から間違いなく成長しています」

  2. 7

    矢沢永吉ライブは『永ちゃんコール』禁止で対策も…B'z『客の大熱唱』とも通じる“深刻な悩み”

  3. 8

    《国分太一だけ?》「ウルトラマンDASH」の危険特番が大炎上!日テレスタッフにも問われるコンプライアンス

  4. 9

    巨人オーナーから“至上命令” 阿部監督が背負う「坂本勇人2世育成&抜擢」の重い十字架

  5. 10

    現役女子大生の鈴木京香はキャピキャピ感ゼロだった