「キマイラ14望郷変」夢枕獏著
大鳳は、拉致された深雪を救い出すため海辺の断崖の上に立つルシフェル教団の施設に単身で潜入。そこに深雪がいることは龍王院から九十九にもたらされた情報だった。大鳳は、九十九を離れた場所で待機させ、監視カメラが設置されていない断崖をよじ登って建物に近づく。庭の木に身を隠した大鳳は、2階の部屋に深雪を確認。部屋には教団の覚醒師のボックやアレクサンドルらがいた。深雪が窓の外の大鳳に気づいた。ボックらに見つかる前に庭に降り立った大鳳の前に現れたのは、番犬と化した菊地だった。そんな大鳳らの動きを海上に停泊した船から監視している人物がいた。
血に飢えた幼獣・キマイラを己の中に潜ませる大鳳を主人公にした大河小説シリーズ最新刊。
(朝日新聞出版 900円+税)