「『いいね!』戦争」P・W・シンガーほか著 小林由香利訳
ソーシャルメディアの仕掛け人であるエンジニアたちが意図的に設計したのは、依存性のあるプラットフォームである。自分の投稿に他人から反応があるとドーパミンが分泌され、投稿や「いいね!」「シェア」を繰り返したくなるのだ。
2014年、自称イスラム国の戦闘員たちが、イラク北部になだれ込んだ。彼らの画像を、支持者やツイッター・ボットがインスタグラムに投稿し、さらにハッシュタグ付きのアカウントがつくられて、そのメッセージが拡散された。それは、猛烈な勢いで広がって、世界に恐怖と分裂と背信の種をまいたのだ。
「いいね!」や「シェア」によってソーシャルメディアが兵器化する脅威を語る、今読むべき一冊。
(NHK出版 2400円+税)