「伝説となった日本兵捕虜」嶌信彦著

公開日: 更新日:

 第2次世界大戦末期、終戦の数日前に参戦したソ連軍は約50万人もの日本兵を捕虜とした。その多くがシベリアに抑留されたことはよく知られている。

 一方で、満州から遠く離れた中央アジアのウズベク(現ウズベキスタン、当時はソ連領)まで連れていかれ、劇場建設の特殊任務についた捕虜たちもいた。彼らが現地の人々と建設し、その後の大地震にもびくともせず、今も当時のままの姿を保つ「ナボイ劇場」は、旧ソ連時代には4大劇場のひとつに数えられていた。

 本書は、今も一帯の国々に日本人伝説として伝わる、そのナボイ劇場の建設に携わった永田行夫隊長以下457人の旧陸軍航空修理廠の工兵たちの戦いを描くドキュメンタリー。 (KADOKAWA 860円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  3. 3

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  4. 4

    高市政権大ピンチ! 林芳正総務相の「政治とカネ」疑惑が拡大…ナゾの「ポスター維持管理費」が新たな火種に

  5. 5

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  1. 6

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 7

    沢口靖子vs天海祐希「アラ還女優」対決…米倉涼子“失脚”でテレ朝が選ぶのは? 

  3. 8

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  4. 9

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  5. 10

    高市政権マッ青! 連立の“急所”維新「藤田ショック」は幕引き不能…橋下徹氏の“連続口撃”が追い打ち