「死の花の咲く家」仁木悦子著

公開日: 更新日:

 日曜の朝、朝食を買いに出かけた大学生の悦子は、近道のために通り抜けようとした神社の境内で顔なじみの学者・館岡の遺体を見つける。探偵気取りで持ち物を調べると、予定が書き込まれた手帳の前日の欄に「紫式部」と書かれていた。悦子の知らせで館岡家は大騒ぎに。

 妻を亡くした館岡は、姪と家政婦、そして最近になって名乗りを上げてきたため認知した婚外子の吉男と暮らしていた。やがて警察の調べで館岡は病死と判明。家政婦から館岡がいつもは控えていた酒を昨夜はかなり飲んでいたようだと聞いた悦子は、館岡の前夜の行動を調べ始める。しかし、手掛かりの紫式部が何のことだか分からない。(「暗い日曜日」)

「日本のクリスティ」と称された著者(86年没)の傑作集。

(光文社 900円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  2. 2

    遠野なぎこさんを追い詰めたSNSと芸能界、そして社会の冷酷無比な仕打ち…悲惨な“窮状証言”が続々

  3. 3

    ドジャース大谷翔平がついに“不調”を吐露…疲労のせい?4度目の登板で見えた進化と課題

  4. 4

    清原果耶「初恋DOGs」にファン失望気味も…《低視聴率女王》待ったなしとは言い切れないウラ事情

  5. 5

    会議室で拍手が沸き起こったほどの良曲は売れなかった

  1. 6

    国分太一が社長「TOKIO-BA」に和牛巨額詐欺事件の跡地疑惑…東京ドーム2個分で廃墟化危機

  2. 7

    兵庫は参院選でまた大混乱! 泉房穂氏が強いられる“ステルス戦”の背景にN党・立花氏らによる執拗な嫌がらせ

  3. 8

    極めて由々しき事案に心が痛い…メーカーとの契約にも“アスリートファースト”必要です

  4. 9

    遠野なぎこさんか? 都内マンションで遺体見つかる 腐乱激しく身元確認のためDNA鑑定へ

  5. 10

    新横綱大の里が直面する「遠方への出稽古慣れ」…車での長距離移動は避けて通れない試練に