「よその島」井上荒野著

公開日: 更新日:

 西荻窪で骨董店を営んでいた碇谷芳朗と蕗子夫婦は、店の客だったミステリー小説家の野呂晴夫とともに島に移住した。その移住話を野呂が持ち出したとき、芳朗は「殺人者」の逃亡先として、それを選んだのだ。島の家の住み込みの家政婦、仙崎みゆかと顔を合わせたとき、芳朗はこの女を知っているような気がしたが、それは誰にも言わないほうがいいと思った。

 芳朗の脳裏に30年以上前の記憶が蘇った。あのマンションのベランダには、ラベンダー色で、ラッパを吹く天使のモチーフがある手すりがあった。その手すりを、青いマニキュアをした女の手が握っていた。

 読み手を心の迷路に誘い込むサスペンス小説。

(中央公論新社 1700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    TBS「ラヴィット!」の“テコ入れ”に不評の嵐! グダグダぶりを楽しむ独自性損失で視聴者離れ加速危機

  2. 2

    「おい、おまえ、生意気なんだよ」 野村監督は俺の挨拶を“ガン無視”、暴れたろうかと考えた

  3. 3

    「オールスター感謝祭」で“ブチギレ説教” …島崎和歌子は今や「第2の和田アキ子」の域

  4. 4

    NHK朝ドラ「風、薫る」巻き返しを阻む“最大のネック”…見上愛&上坂樹里Wヒロインでも苦戦中

  5. 5

    米国とイランが2週間の停戦合意も日本は存在感ゼロ…お粗末すぎた高市外交を識者「完全失敗」とバッサリ

  1. 6

    スピードスケート引退・高木美帆にオランダが舌なめずり “王国復権の切り札”として白羽の矢

  2. 7

    高市政権が非情の“病人切り捨て”強行で大炎上! 高額療養費見直し「患者の意向に沿う」は真っ赤なウソ

  3. 8

    ブチ切れ高市首相が「誤報だ!」連発 メディア、官邸、自民党内…渡る政界は「敵ばかり」の自業自得

  4. 9

    JFAは森保一氏の“囲い込み”に必死 W杯後の「次の日本代表監督」のウワサが聞こえない謎解き

  5. 10

    『エニイ・タイム・アット・オール』1964年のジョンのギターを聴くだけで元気が出る