「暦と暮らす」宇多喜代子著

公開日: 更新日:

 梅雨は中国の揚子江以南から朝鮮半島の南部、日本列島に降る雨で、欧米にはない。熱帯地方の雨期とも違うため、該当する英語がなく、「BAIU」と表記するとか。揚子江以南で梅の実が熟すころに降るため、江戸時代には「梅の雨」と書いていたが、明治以降、「梅雨」と書くようになった。田村木国の句に「家一つ沈むばかりや梅雨の沼」がある。長期間降るだけでなく、雨量が多く雨脚も強くて、沼の水かさが増えた様子が伝わってくる。豪雨によって河川が氾濫することを「出水」といい、「牛小屋に出水の跡のまざまざと 棚山波朗」という句もある。

 他に「短夜」「葭戸(よしど)」など、日本の暮らしを彩る季語と季節の俳句を紹介。たまには一句ひねってみるのもオススメ。

(NHK出版 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    映画「国宝」ブームに水を差す歌舞伎界の醜聞…人間国宝の孫が“極秘妻”に凄絶DV

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(22)撮影した女性500人のうち450人と関係を持ったのは本当ですか?「それは…」

  3. 3

    輸入米3万トン前倒し入札にコメ農家から悲鳴…新米の時期とモロかぶり米価下落の恐れ

  4. 4

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  5. 5

    “やらかし俳優”吉沢亮にはやはりプロの底力あり 映画「国宝」の演技一発で挽回

  1. 6

    参院選で公明党候補“全員落選”危機の衝撃!「公明新聞」異例すぎる選挙分析の読み解き方

  2. 7

    「愛子天皇待望論」を引き出す内親王のカリスマ性…皇室史に詳しい宗教学者・島田裕巳氏が分析

  3. 8

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  4. 9

    松岡&城島の謝罪で乗り切り? 国分太一コンプラ違反「説明責任」放棄と「核心に触れない」メディアを識者バッサリ

  5. 10

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒