「子規365日」夏井いつき著

公開日: 更新日:

 俳句の創始者・正岡子規が34年の短い生涯で残した2万4000句から、実作者でもある著者が独自の視点で選んだ365句を日めくりのように並べ解説した俳句エッセー。

 1月1日は「うれしさにはつ夢いふてしまいけり」。この句を詠んだ1893(明治26)年の子規は、定職を得て松山から母妹を呼び寄せ、3人そろって東京で正月を迎えた。著者は、ついつい「いふて」しまった「はつ夢」を笑う3人の明るい声が聞こえてきそうな年明けの一句と評する。

 以後、有名でなくとも、子規らしいほのぼのとした佳句や、らしくない異色の句も含め、365日、季節の流れに沿って子規の句を紹介。読み進むごとに、読者の心は子規の伸びやかな精神に共振するはず。

(朝日新聞出版 720円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  2. 2

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か

  5. 5

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  1. 6

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  2. 7

    三山凌輝に「1億円結婚詐欺」疑惑…SKY-HIの対応は? お手本は「純烈」メンバーの不祥事案件

  3. 8

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  4. 9

    佐藤健と「私の夫と結婚して」W主演で小芝風花を心配するSNS…永野芽郁のW不倫騒動で“共演者キラー”ぶり再注目

  5. 10

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意