「欲望の経済を終わらせる」井手英策著

公開日: 更新日:

 財政を小さくして規制を緩め、経済的、政治的な自由を強めれば最高の未来がやってくると説いた「新自由主義」。日本では2000年代に緊縮財政と規制緩和にまい進した小泉政権期に一気に広がりを見せた。なぜかくも「自由」なる言葉が人々の心を捉えたのか。そして新自由主義の古臭い主張が、なぜあれほどまでに世の中を魅了したのか。また新自由主義の震源地である米国や英国で今、自由を否定するかのような動きが起きつつあるのはなぜか。財政の歴史を振り返りながら、新自由主義の思想が広がり影響力を得た背景を探る論考。

 1970年代からの日本と世界の動きを徹底検証。その反省を踏まえ、共通の利益をみなで満たし合う「頼り合える社会」の実現を目指す財政システムを提言する。

(集英社インターナショナル 880円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  2. 2

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  3. 3

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  4. 4

    ドジャース内野手ベッツのWBC不参加は大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸のレギュラーシーズンに追い風

  5. 5

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  1. 6

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  2. 7

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  3. 8

    維新のちょろまかし「国保逃れ」疑惑が早くも炎上急拡大! 地方議会でも糾弾や追及の動き

  4. 9

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  5. 10

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方