「欲望の経済を終わらせる」井手英策著

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 財政を小さくして規制を緩め、経済的、政治的な自由を強めれば最高の未来がやってくると説いた「新自由主義」。日本では2000年代に緊縮財政と規制緩和にまい進した小泉政権期に一気に広がりを見せた。なぜかくも「自由」なる言葉が人々の心を捉えたのか。そして新自由主義の古臭い主張が、なぜあれほどまでに世の中を魅了したのか。また新自由主義の震源地である米国や英国で今、自由を否定するかのような動きが起きつつあるのはなぜか。財政の歴史を振り返りながら、新自由主義の思想が広がり影響力を得た背景を探る論考。

 1970年代からの日本と世界の動きを徹底検証。その反省を踏まえ、共通の利益をみなで満たし合う「頼り合える社会」の実現を目指す財政システムを提言する。

(集英社インターナショナル 880円+税)

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