「潜匠」矢田海里著

公開日: 更新日:

 潜水士の吉田浩文は港湾土木の工事現場で潜水業務をしていた。海中の離岸堤の基礎が完成したら、それを水中撮影するのが主な仕事だったが、ある日、海に落ちた車を引きあげてほしいと依頼された。

 現場に到着すると、警察や消防のほかにテレビカメラもいる。警察官が自殺を図ったらしい。潜ってみると、車内に年配の男が逆さになっているのが見えた。死体を乗せたままワイヤを付けて引きあげたが、それ以来、自殺者などの遺体の引きあげを依頼されるようになった。

 そして2011年3月、宮城県名取市閖上の海水浴場の警備を任された吉田は、東日本大震災に遭遇する。

 海で人命救助や遺体の引きあげに携わる潜水士のドキュメント。

(柏書房 1800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  2. 2

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  3. 3

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  5. 5

    巨人大ピンチ! 有原航平争奪戦は苦戦必至で投手補強「全敗」危機

  1. 6

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 7

    衝撃の新事実!「公文書に佐川氏のメールはない」と財務省が赤木雅子さんに説明

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    高市首相が漫画セリフ引用し《いいから黙って全部俺に投資しろ!》 金融会合での“進撃のサナエ”に海外ドン引き

  5. 10

    日本ハムはシブチン球団から完全脱却!エスコン移転でカネも勝利もフトコロに…契約更改は大盤振る舞い連発