「菌世界紀行」星野保著

公開日: 更新日:

「雪腐病菌(ゆきぐされびょうきん)」という超マイナーな菌類の性質と、それを求めて巡った海外調査の記録をつづったサイエンス本。とはいえ、その語り口はユーモアにあふれ、下手な紀行エッセーを読むよりも面白い。

 雪腐病菌は雪の下で越冬する植物に感染して、その名も「雪腐病」という病気をもたらす。知られている菌類の中で最も寒さに強いスクレロチニア・ボレアリスをはじめ、さまざまな種類が存在する。多くの雪腐病菌は室温ほどでも成長でき、他の菌と違うのは寒さに耐える力を持っているということだそうだ。

 そんな基本知識を解説した上で、日本の菌株とは性質が異なる菌株を求めて出掛けたノルウェーでの菌類調査をはじめ、シベリア、果ては南極まで。世界中の寒冷地を巡った旅を振り返る。

(岩波書店 860円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    2026夏の甲子園「優勝校はココだ!」 本紙と専門家が徹底予想、“対抗”含む5校を紹介

  2. 2

    高市首相の大誤算…30代女性の支持率ピークから40P減で「嫌われサナエは女性の敵」いよいよ鮮明

  3. 3

    板東英二さん死去…長嶋茂雄や野村克也も認めていたその功績と人柄、金銭トラブルの数々

  4. 4

    「キル・ビル」から20余年…栗山千明「晩酌の流儀」が“第2の「孤独のグルメ」”になりそうな充実ぶり

  5. 5

    有望高校生の「とりあえず進学」にプロ球団悲鳴 直メジャー、米国留学…選択肢が増え受難の時代へ

  1. 6

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  2. 7

    読売新聞の世論調査「皇室典範再び改正 愛子天皇を認めろ」に85%賛成の衝撃結果

  3. 8

    大関復帰の安青錦 “強行出場”の収穫と代償…「少なくとも夏巡業は厳しい」の見立ても

  4. 9

    趣里が裏切り不倫報道の夫・三山凌輝に三くだり半を突きつける“Xデー”…伊藤蘭と水谷豊もついに離婚要求か

  5. 10

    夏ドラマ軒並み低迷のフジが賭ける秋ドラマは目指す「イカゲーム」になれる? 主演は坂口健太郎