「ネオウイルス学」河岡義裕編

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 今回の災禍によってウイルスとは、病気をもたらす「悪玉」と思いがちだが、実際には寄生した生物に恩恵をもたらす「善玉」的役割を果たすウイルスも数多くある。地球上には、10の31乗という膨大な数のウイルスがいて、870万種いる生物のすべてに寄生、感染しながら存在し続けている。

 本書はそうしたウイルスの機能メカニズムを追求し、生物の生命活動や生態系に及ぼす影響、自然界におけるウイルスの存在意義を解明する研究「ネオウイルス学」の成果を伝えるサイエンステキスト。

 はるか昔に寄生したウイルスのゲノムが人類の遺伝子に組み込まれ、胎盤形成などを果たしている事実をはじめ、ウイルスの寄生で乾燥に強くなった植物など。専門家20人が各自の研究を解説。

(集英社 1034円)

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