「ネオウイルス学」河岡義裕編

公開日: 更新日:

 今回の災禍によってウイルスとは、病気をもたらす「悪玉」と思いがちだが、実際には寄生した生物に恩恵をもたらす「善玉」的役割を果たすウイルスも数多くある。地球上には、10の31乗という膨大な数のウイルスがいて、870万種いる生物のすべてに寄生、感染しながら存在し続けている。

 本書はそうしたウイルスの機能メカニズムを追求し、生物の生命活動や生態系に及ぼす影響、自然界におけるウイルスの存在意義を解明する研究「ネオウイルス学」の成果を伝えるサイエンステキスト。

 はるか昔に寄生したウイルスのゲノムが人類の遺伝子に組み込まれ、胎盤形成などを果たしている事実をはじめ、ウイルスの寄生で乾燥に強くなった植物など。専門家20人が各自の研究を解説。

(集英社 1034円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  2. 2

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  3. 3

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  1. 6

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  2. 7

    JLPGA専務理事内定が人知れず“降格”に急転!背景に“不適切発言”疑惑と見え隠れする隠蔽体質

  3. 8

    「俳優座」の精神を反故にした無茶苦茶な日本の文化行政

  4. 9

    (72)寅さんをやり込めた、とっておきの「博さん語録」

  5. 10

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動