「事件でなければ動けません」古野まほろ著

公開日: 更新日:

「逮捕されれば無理やり自白を強要される」「予算を確保するために交通切符を切っている」など、警察に対する市民の不信は数々あれど、中でも最大は「警察は事件にならないと動いてくれない」というもの。

 元警察官僚の著者は、事件事故の被害に苦しむ市民と警察は、そもそも本質的な「同盟者」なのに、このような歴史的かつ確固たる警察不信があることは制度・実務として健全でないと憂う。

 一方で、警察には市民が不信を抱いてしまう現実も確かにあり、著者自身も複数回そうした事態を経験したという。

 本書は、自らの経験や、被害者の訴えを無視して悲劇を招いた桶川事件や太宰府事件などを例に、どのようにすれば警察を円滑に動かせることができるかを説いた警察・警察官の「トリセツ」。

(幻冬舎 946円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    アッと驚く自公「連立解消」…突っぱねた高市自民も離脱する斉藤公明も勝算なしの結末

  2. 2

    クマが各地で大暴れ、旅ロケ番組がてんてこ舞い…「ポツンと一軒家」も現場はピリピリ

  3. 3

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  4. 4

    安倍元首相銃撃裁判 審理前から山上徹也被告の判決日が決まっている理由

  5. 5

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  1. 6

    マツコ・デラックスがSMAP木村拓哉と顔を合わせた千葉県立犢橋高校とは? かつて牧場だった場所に…

  2. 7

    自民党は戦々恐々…公明党「連立離脱」なら次の衆院選で93人が落選危機

  3. 8

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  4. 9

    万博協会も大阪府も元請けも「詐欺師」…パビリオン工事費未払い被害者が実名告発

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希の抑え起用に太鼓判も…上原浩治氏と橋本清氏が口を揃える「不安要素」