「事件でなければ動けません」古野まほろ著

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「逮捕されれば無理やり自白を強要される」「予算を確保するために交通切符を切っている」など、警察に対する市民の不信は数々あれど、中でも最大は「警察は事件にならないと動いてくれない」というもの。

 元警察官僚の著者は、事件事故の被害に苦しむ市民と警察は、そもそも本質的な「同盟者」なのに、このような歴史的かつ確固たる警察不信があることは制度・実務として健全でないと憂う。

 一方で、警察には市民が不信を抱いてしまう現実も確かにあり、著者自身も複数回そうした事態を経験したという。

 本書は、自らの経験や、被害者の訴えを無視して悲劇を招いた桶川事件や太宰府事件などを例に、どのようにすれば警察を円滑に動かせることができるかを説いた警察・警察官の「トリセツ」。

(幻冬舎 946円)

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