「災厄の馬」グレッグ・ブキャナン著 不二淑子訳

公開日: 更新日:

 英国の寂れた町イルマーシュの農場で16頭もの馬の頭部が見つかる。頭は、儀式のように円形に並べられ、近くには切り取られた尾が積みあがっていた。

 地元警察の刑事アレックは、鑑識を専門とする獣医のクーパーと捜査に乗り出す。被害に遭った馬の所有者はバラバラで、お互いに関係はないようだ。その一人で乗馬学校を営むエルトン夫妻が、事件が発覚する前に保険会社に馬の保険について問い合わせていることが判明。事情聴取に同行したクーパーは、エルトン家で借金返済の督促状に交じって、切断された迷子犬の写真を見つける。何者かに脅迫を受けていた夫妻の家には、他にも動物の虐待写真が何枚も届いていた。

 緻密な構成と独特の文体で読者を物語世界に誘う長編ミステリー。

(早川書房 2420円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁