「災厄の馬」グレッグ・ブキャナン著 不二淑子訳

公開日: 更新日:

 英国の寂れた町イルマーシュの農場で16頭もの馬の頭部が見つかる。頭は、儀式のように円形に並べられ、近くには切り取られた尾が積みあがっていた。

 地元警察の刑事アレックは、鑑識を専門とする獣医のクーパーと捜査に乗り出す。被害に遭った馬の所有者はバラバラで、お互いに関係はないようだ。その一人で乗馬学校を営むエルトン夫妻が、事件が発覚する前に保険会社に馬の保険について問い合わせていることが判明。事情聴取に同行したクーパーは、エルトン家で借金返済の督促状に交じって、切断された迷子犬の写真を見つける。何者かに脅迫を受けていた夫妻の家には、他にも動物の虐待写真が何枚も届いていた。

 緻密な構成と独特の文体で読者を物語世界に誘う長編ミステリー。

(早川書房 2420円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  3. 3

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 4

    阪神・大山を“逆シリーズ男”にしたソフトバンクの秘策…開幕前から丸裸、ようやく初安打・初打点

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    創価学会OB長井秀和氏が明かす芸能人チーム「芸術部」の正体…政界、芸能界で蠢く売れっ子たち

  2. 7

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 8

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  4. 9

    大死闘のワールドシリーズにかすむ日本シリーズ「見る気しない」の声続出…日米頂上決戦めぐる彼我の差

  5. 10

    ソフトB柳田悠岐が明かす阪神・佐藤輝明の“最大の武器”…「自分より全然上ですよ」