「蟻の棲み家」望月諒子著

公開日: 更新日:

 東京都中野区で拳銃を使用した連続殺人事件が発生。被害者の2人はともに若い女性で、売春で生計を立て、1人は幼い子供を施設に預けっ放し、もう1人は育児放棄の状態だった。事実を伝えられないマスコミは被害者の虚像を報道する。

 同じ頃、フリーライターの美智子は弁当工場を舞台にした恐喝事件を取材。工場長・植村は、私費で犯人に金を振り込んでいた。そんな中、美智子は植村から新たに届いた脅迫状を見せられる。3人目の犠牲者を出したくなければ2000万円を用意しろと拙い字で書かれた脅迫状には、若い女の写真と髪の毛が添えられていた。植村は本社から無視するように指示されたが、放っておけずに美智子に連絡したようだ。

 格差社会と家庭崩壊が生み出した社会の暗部に切り込む長編ミステリー。

(新潮社 825円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “芸能界のドン”逝去で変わりゆく業界勢力図…取り巻きや御用マスコミが消えた後に現れるモノ

  2. 2

    落合博満さんと初キャンプでまさかの相部屋、すこぶる憂鬱だった1カ月間の一部始終

  3. 3

    渡辺謙63歳で「ケイダッシュ」退社→独り立ちの背景と21歳年下女性との再々婚

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    米価高騰「流通悪玉論」は真っ赤なウソだった! コメ不足を招いた農水省“見込み違い”の大罪

  1. 6

    大阪万博は鉄道もバスも激混みでウンザリ…会場の夢洲から安治川口駅まで、8キロを歩いてみた

  2. 7

    悠仁さま「9.6成年式」…第1子出産の眞子さん、小室圭さんの里帰りだけでない“秋篠宮家の憂鬱”

  3. 8

    参政党議員「初登院」に漂った異様な雰囲気…さや氏「核武装」に対しゼロ回答で現場は大混乱

  4. 9

    ダルビッシュの根底にある不屈の反骨精神 “強いチームで勝ちたい大谷”との決定的な違い

  5. 10

    悠仁さま「友人とガスト」でリア充の一方…警備の心配とお妃候補との出会いへのプレッシャー