「江戸の組織人」山本博文著

公開日: 更新日:

 徳川幕府を中心に、江戸時代の組織のあり方と組織に生きる武士の実像を解説する歴史テキスト。

 まずは将軍の直臣から。直臣には大名・旗本・御家人の3種類があり、大名は1万石以上の武士、旗本は1万石未満で将軍に御目見得(拝謁)できる武士、御家人は御目見得できない武士だ。

 旗本の家格が最も高く優遇されたのが「両番家筋」で、将軍の身辺を警護する軍事組織「書院番」と「小姓組番」に配属される者をこう呼ぶ。幕府内のエリートである両番家筋に続くのが、幕府の軍事組織の中核である「大番」家筋だ。大番は12組あり、1組が50人ほどで構成される。晴れて番入りした旗本は同僚の番士に鰹節や反物などの贈り物をしたという。

 ほか、町奉行所や勘定所、御庭番、そして大奥など、現代官僚制にも匹敵する幕府の各組織を詳細解説する。

(朝日新聞出版 1001円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  2. 2

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  3. 3

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  1. 6

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  2. 7

    JLPGA専務理事内定が人知れず“降格”に急転!背景に“不適切発言”疑惑と見え隠れする隠蔽体質

  3. 8

    「俳優座」の精神を反故にした無茶苦茶な日本の文化行政

  4. 9

    (72)寅さんをやり込めた、とっておきの「博さん語録」

  5. 10

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動