「マリーナ」カルロス・ルイス・サフォン著 木村裕美訳

公開日: 更新日:

「マリーナ」カルロス・ルイス・サフォン著 木村裕美訳

 1979年9月のスペイン・バルセロナ。いつものように夕食前に寄宿舎を抜け出し散歩をしていたオスカルは廃虚のような屋敷に迷い込み、そこで暮らす少女マリーナと出会う。

 日曜日、オスカルは彼女に誘われ墓地を見渡す高台にいた。やがてフードで顔を隠した貴婦人がある墓に花を手向ける。墓にはチョウの刻印があるだけで誰が眠っているのかは分からない。マリーナによると貴婦人は毎月最後の日曜日、同じ時間に現れるという。

 2人が尾行すると、路地に入ったまま女性は姿を消す。路地は行き止まりで、貴婦人が入ったと思われる空き家の温室に足を踏み入れると、空中に幾体もの操り人形が吊り下げられており、その人形にはあの墓と同じチョウの印が書き込まれていた。

 スペインの巨匠による幻想と怪奇に満ちた長編。

(集英社 1100円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 2

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  3. 3

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  4. 4

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  2. 7

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  3. 8

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  4. 9

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 10

    佐藤輝明はWBC落選か? 大谷ジャパン30人は空前絶後の大混戦「沢村賞右腕・伊藤大海も保証なし」