著者のコラム一覧
嶺里俊介作家

1964年、東京都生まれ。学習院大学法学部卒。2015年「星宿る虫」で第19回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞し、デビュー。著書に「走馬灯症候群」「地棲魚」「地霊都市 東京第24特別区」「昭和怪談」ほか多数。

ホラーの帝王 ~スティーブン・キング~

公開日: 更新日:

最新作はクライムサスペンス 先が読めず驚きの連続

 最新作は『ビリー・サマーズ』(文藝春秋:上下各2970円)です。内容は、あっと驚くクライムサスペンス。

 引退を考えていた殺し屋の主人公ビリーに多額の報酬を伴う狙撃の仕事が舞い込んだ。ビリーは事前に町の住民となって仕事の日を待つ。自由に動くために小説家に身をやつしたうえで仕込みを始めるのだが、小さな歪みを感じて予定とは異なるプランを用意しつつ、狙撃の機会を待つ──。

 なにしろ先が読めない。上巻は読みながら先の展開を予想できるのですが、下巻に入ってからは驚きの連続。リアルな描写と相まって頁を繰る手が止まらない。さすが帝王。

 ファンのためのサービスも忘れない。多くの幽霊が出るという焼け落ちたホテルが景観荘だとか、そこの動く生け垣とか、ピエロが出てきたりする場面など、思わず口角が上がってしまう。

 ひと夏かかっても、そのぶんキングの世界を満喫できる作品なのです。







最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?