日本政府は市場介入までにおわせ…高市政権の場当たり対応で「原油争奪戦」に勝てるのか?

公開日: 更新日:

 国際エネルギー機関(IEA)が世界に石油消費の節約を訴える中、高市首相は「いつものペースで給油をお願い申し上げます」なんて悠長に呼びかけているが、果たして大丈夫なのか。米国とイスラエルのイラン攻撃に端を発した“原油争奪戦”に、政府は焦りを隠さない。

  ◇  ◇  ◇

 原油調達の不安解消に向け、政府は26日から石油の国家備蓄1カ月分を放出する。対象は全国11カ所で保管する約850万キロリットル。これに先立ち、今月16日から民間備蓄15日分を放出していた。

 高市首相は24日の「中東情勢に関する関係閣僚会議」の初会合で、「事態の早期沈静化」を繰り返し強調。石油の国家備蓄の放出を表明したほか、20日時点で6日分を確保していた「産油国共同備蓄」についても「3月中には放出が始まる予定」と説明した。

 驚きなのは、政府が原油先物市場への介入までにおわせていることだ。介入の手法や影響について、金融機関に聞き取り調査を実施していたという。

 原油高に伴う円安に歯止めをかけたい思惑がにじむが、原油市場への介入は米国が3月上旬に断念した経緯がある。ベッセント財務長官は介入を「ウワサに過ぎない」と一蹴した。経済評論家の斎藤満氏が言う。

「原油価格の国際指標のひとつである『WTI』は、その他のブレントやドバイよりもマーケットが小さく、介入しやすい。円安につながる原油先物取引を抑え込みたいのは理解できなくもないが、本当にやろうとすれば市場を歪めることになる。米国としても原油価格をコントロールしたいのだろうが、官製相場は市場を弱体化させるだけ。介入は悪手でしょう」

 介入への本気度は未知数だが、政府は「原油争奪戦になりつつある」と危機感を募らせる。目下の課題は代替調達先の拡充だが、勝算はあるのか。他国に負けずに原油を入手できるのか。

■関連キーワード

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    八王子実践・河本ロバート監督「ライブや家族旅行も、事前に相談があれば休ませます」

  2. 2

    萩本欽一〈34〉私の“運”論 大谷翔平のカネを使い込んだ通訳に「小さな声で『ありがとう』」

  3. 3

    中居正広氏が熊本地震被災地を支援と報道 引退後も変わらないチャリティー精神と芸能界復帰の可能性

  4. 4

    高橋成美「渋幕→慶応」だけでは読み解けないズバ抜けた回転の速さ 世界選手権ペアで日本人初の銅メダル

  5. 5

    東京・赤羽、先行する第1地区に110メートル級、せんべろの1番街が丸ごと潰される危機

  1. 6

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  2. 7

    国害SNSを告発 森山裕・自民党前幹事長「高市おろし」キーマンに急浮上の裏…不快感に国境なし

  3. 8

    年金生活者を悩ませる墓問題 維持費も「墓じまい」の費用も払えない人はどうすればいいのか?

  4. 9

    「墓じまい」に悩むシニア 費用や遺骨の始末より問題になる「家族の愛憎問題」

  5. 10

    松本若菜「ジュラシック・ワールド」吹き替え《棒読み》論争再燃…暗雲漂う主演ドラマに新たな逆風