「人生の壁」養老孟司著

公開日: 更新日:

「人生の壁」養老孟司著

 肺がんを患いながら87歳を迎えた著者が、あらためて人生について語る生き方エッセー。

 まずは「子どもの壁」と題して、現代の子どもたちが抱える問題や、子育てについて。少子化対策として子育て世代におカネをばらまく政策に疑問を投げかけ、子どもたちの自殺の多さを危惧。今の社会は子どもを大切にしていると言いながら、実は大切にしていないような気がするという。将来のためにと子どもにさまざまなことを強いる風潮を指摘しながら、「子どもには子どもの人生があり、その毎日が大切なものだと考える。これが子どもを大切にする基本」なのではと説く。

 以降、青年の壁から、世界、日本、政治の壁、そして人生の壁と、自らの人生も振り返りながら、誰にも立ちはだかる「壁」の乗り越え方を語る。

(新潮社 968円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ヤクルトのドラフトは12球団ワースト…「余裕のなさ」ゆえに冒険せず、好素材を逃した気がする

  2. 2

    「汽車を待つ君の横で時計を気にした駅」は一体どこなのか?

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    コメ増産から2カ月で一転、高市内閣の新農相が減産へ180度方針転換…生産者は大混乱

  5. 5

    オリックスまさかのドラフト戦略 「凶作」の高校生総ざらいで"急がば回れ"

  1. 6

    ヤクルト2位 モイセエフ・ニキータ 《生きていくために日本に来ました》父が明かす壮絶半生

  2. 7

    オリ1位・麦谷祐介 暴力被害で高校転校も家族が支えた艱難辛苦 《もう無理》とSOSが来て…

  3. 8

    “代役”白石聖が窮地を救うか? 期待しかないNHK大河ドラマ『豊臣兄弟』に思わぬ落とし穴

  4. 9

    福山雅治は"フジ不適切会合参加"報道でも紅白で白組大トリの可能性も十分…出場を容認するNHKの思惑

  5. 10

    バスタオル一枚の星野監督は鬼の形相でダッシュ、そのまま俺は飛び蹴りを食らった