「一○の国旗の下で」エドガルス・カッタイス著、黒沢歩訳

公開日: 更新日:

「一○の国旗の下で」エドガルス・カッタイス著、黒沢歩訳

 著者は1923年に、祖国ラトビアから遠く離れた満州の小さな村で生まれた。日露戦争(1904年)のとき、機関車技師の訓練を受けていた父カーリスは、激戦地に派遣されずに前線に物資を送る任務に就いていた。

 ロシア軍には満州の詳細な地図がなかったため、日本に敗北。終戦後、カーリスは満州の鉄道に残り、1926年ごろ、ハルビンに転勤となる。ハルビンにはロシアからの移住者の寄付で造られた教会やモスク、シナゴーグなどがあった。3年後、政変が起き、中華民国の五色旗は青空に白い太陽の国民党旗に替わる。

 ロシア人、ユダヤ人、タタール人ら、さまざまな民族が出入りした満州での日々の記録。 (作品社 3190円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  2. 2

    梅宮アンナ「10日婚」短期間で"また"深い関係に…「だから騙される」父・辰夫さんが語っていた恋愛癖

  3. 3

    国分太一が無期限活動休止へ…理由は重大コンプラ違反か? TV各局に全番組降板申し入れ、株式会社TOKIO解雇も

  4. 4

    吉沢亮「国宝」が絶好調! “泥酔トラブル”も納得な唯一無二の熱演にやまぬ絶賛

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題か...大谷の“献身投手復帰”で立場なし

  1. 6

    中学受験で慶応普通部に合格した「マドラス」御曹司・岩田剛典がパフォーマーの道に進むまで

  2. 7

    進次郎農相の化けの皮ズルズルはがれる…“コンバイン発言”で大炎上、これじゃあ7月参院選まで人気持たず

  3. 8

    砂川リチャード抱える巨人のジレンマ…“どうしても”の出血トレードが首絞める

  4. 9

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  5. 10

    「育成」頭打ちの巨人と若手台頭の日本ハムには彼我の差が…評論家・山崎裕之氏がバッサリ