「ケチる貴方」石田夏穂著

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「ケチる貴方」石田夏穂著

「私」は、金太郎のような体形だが、幼い頃から体の冷えに悩まされてきた。社会人7年目の今も、会社ではクールを装いながら、帰宅後に浴室に駆け込み、1時間の入浴は欠かせず、湯たんぽ2つを抱えても寒くて眠れない。日々、思いつく限りの温活を続けているが、寒くて仕方がない。

 そんな中、新入社員2人の教育係を任される。必要最低限のことしかしない主義だが、別の社員から無理難題を押しつけられた2人に、つい手を貸してしまう。その夜、悪夢で目が覚めると、全身が火照って汗びっしょりになっていた。これまで何事にもケチを貫いてきたのに、やがて、献身的な行動をすると体温が通常になると分かり……。(表題作)

 冷え性や肥満など身体的コンプレックスをテーマに描く痛快小説集。 (講談社 649円)




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