「地下鉄サリン事件はなぜ防げなかったのか」垣見隆ほか著

公開日: 更新日:

「地下鉄サリン事件はなぜ防げなかったのか」垣見隆ほか著

 オウム教団関連の事案は、大きな事件が引き起こされる前からさまざまなトラブルが起きていた。だが、それらは親族間の紛争とか、宗教上のトラブルだととらえられていて、犯罪として立件できる見通しが立たず、捜査着手に至らなかった。それがオウム教団の暴走を招いたのではないか。直ちに事件として扱うのは難しくても、他の事例と併せて検討すれば別の取り組みができたのではないか。

 地下鉄サリン事件の全容が解明できた時期に開かれた全国警察本部長会議で地域責任について言及したことに反発が強かった。教団施設の捜索に踏み切る覚悟ができていなかった。

 元警察庁刑事局長が当時の捜査の内幕を語る。

(朝日新聞出版 2090円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  2. 2

    NHK「昭和16年夏の敗戦」は見ごたえあり 今年は戦争特別番組が盛りだくさん

  3. 3

    永野芽郁が“濡れ場あり”韓流ドラマで「セクシー派女優転身、世界デビュー」の仰天情報

  4. 4

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  5. 5

    海星・陣内優翔は長崎県初の“完全男”だが…スカウトが「上位獲得」を渋るワケ

  1. 6

    中居正広氏は法廷バトルか、泣き寝入りか…「どちらも地獄」の“袋小路生活”と今後

  2. 7

    綾瀬はるか3年ぶり主演ドラマ「ひとりでしにたい」“不発”で迎えた曲がり角…女優として今後どうする?

  3. 8

    中山美穂「香典トラブル」で図らずも露呈した「妹・忍」をめぐる“芸能界のドンの圧力”

  4. 9

    長崎を熱狂させた海星・酒井圭一さんが当時を語る…プロ引退後はスカウトとして大谷翔平を担当

  5. 10

    安藤サクラ「柄本佑が初めて交際した人」に驚きの声…“遊び人の父”奥田瑛二を持つ娘の苦悩