「山口百恵」中川右介著
「山口百恵」中川右介著
山口百恵は、1972年12月、テレビのスカウト番組「スター誕生!」で見いだされた。番組プロデューサーは、予選会のときから彼女に注目していたという。騒々しい会場内で彼女のいるところだけ水を打ったように静かだったからだ。
翌春にデビューすると、歌手、女優として輝かしい歴史をつくり、80年秋に21歳で引退。芸能活動はわずか8年弱だった。
引退から45年が過ぎたが、その人気は現役時代を知らない若い世代にも広がり、彼女は話題の人物であり続けてきた。山口百恵ほど公私にわたり成功したアイドルは、これまでいない。そしてこれからも出ないであろうと著者は言う。
虚構の世界で虚構の人物を演じながら、自分を見失うことなく生き抜いたそのスーパースターの足跡をたどる評伝決定版。
(朝日新聞出版 1650円)