「葬儀から壊れていく家族」橘さつき著
「葬儀から壊れていく家族」橘さつき著
栗田紗季は母の葬儀のとき、納骨まで遺骨を預かってほしいと、2人の兄から頼まれた。母が施設に入所した後、空き家になって荒れている実家に置いて帰るわけにはいかないが、母は息子の妻たちと仲が悪かったため、兄たちも遺骨を引き取れない。紗季は母がかわいそうだと思い、夫に相談したが、澤田家のことだからと断られ、結局、実家を片づけて遺骨を安置した。
夫は通夜と告別式には出席したものの、火葬場には来なかった。葬儀の後、兄たちは位牌と遺骨を紗季に預けて帰っていった。母を愛していたはずなのに……。
家族問題を取材している著者が、「弔い」で表面化する家族の葛藤を描くノンフィクション。
(さくら舎 1980円)



















