使い倒そう!チャットGPTを使えるようになる本特集

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「ChatGPT ビジネス活用大全」リンクアップ著 STORIA法律事務所監修

 昨秋、日本語版がリリースされ話題をさらったチャットGPT。ぐっと身近になった人工知能を使い倒そう。



「ChatGPT ビジネス活用大全」リンクアップ著 STORIA法律事務所監修

 いまパソコンのブラウザーで何か検索すると、トップに短文形式の解説が多くなった。これはブラウザーに実装されたチャットGPTなどが検索ワードをもとに検索生成した回答だ。ゆえに特に使い方を教わらなくとも使い始めている人も多いはず。だが、チャットGPTはしっかりした目的と使い方を把握したほうが有益だ。本書は「ビジネス活用」と銘打つだけにその点が明快。

 たとえば会社や商店のホームページでカスタマーからの問い合わせ画面にあるFAQ(よくある質問)。この想定問答一覧をチャットGPTに作らせてみる。また日報や報告書、メールの挨拶やお礼、謝罪文などもチャットGPTは得意だ。定型はありそうだが、いざとなるとわからない、自分でやるのがおっくうといった仕事をサクサクこなしてくれる。これ覚える価値は十分。気の利かない若手社員よりずっとまし!?

(技術評論社 1408円)

「ChatGPT 産業革命」日経クロステック編集

「ChatGPT 産業革命」日経クロステック編集

 チャットGPT本の多くは使い方ガイド的なもの。いわば読むマニュアルという趣が多い。しかしチャットGPTが世間に知られ始めた最初のころに出た本書は、ズバリ産業界への影響に的をしぼった。巻頭は、影響が大きい広告業界。ついで金融、建設、教育と続く。

 これまで導入に慎重だった金融業界が突如積極姿勢に転じたのはなぜか。装置産業と違って膨大な文書をあつかう金融界は、山積する顧客情報から必要なデータを選び出したり、定型文と個別情報が交じる企画書や稟議書を作成したりすることに多くの時間を割かれる。チャットGPTを運営するオープンAI社がマイクロソフトの傘下になったおかげで、顧客の個人情報の流出にことのほか気をつかう金融界のニーズにもこまかく対応できるようになったのも大きい。

 企業別の実装化ルポや、テック企業CEOのほか作家、アニメ監督らまでのインタビュー、法規制やリスクの懸念まで中身盛りだくさんのムックだ。

(日経BP 1980円)

「ChatGPT見るだけノート」松村雄太監修

「ChatGPT見るだけノート」松村雄太監修

 実はチャットGPTにも苦手なことはある。このアプリが利用するGPT-3.5は言語モデルなので計算などは苦手だ。コンピューター=電子計算機という時代を知る世代だと、つい数学なども万能と思いこみがちだけに要注意。また現在の仕様では情報は2021年9月までのものに限られるため、回答も最新の情報とは限らない。

 他方でチャットGPTをうまく使いこなすコツも解説。漠然とした質問では漠然とした答えしか得られないが、「回答を制約」するといい。たとえば「〇〇というキーワードを使う」「詳しくない人にもわかりやすく」と注文をつけるだけで回答の精度が上がるのだ。同じことは「#制約条件:」を頭につけるだけでもいい。

 もし英語が苦手でなければ英語を使おう。アメリカ生まれのチャットGPTは英語の情報量がずばぬけている。ゆえに回答の精度も上がるのだ。

(宝島社 1430円)

「先読み!IT×ビジネス講座ChatGPT」古川渉一、酒井麻里子著

「先読み!IT×ビジネス講座ChatGPT」古川渉一、酒井麻里子著

 チャットGPTが大きな話題になった理由は「対話型」だったこと。これまでの検索エンジンはワードを入れて表示されたサイトを自分でひとつずつ読んで情報をつかむだけだった。チャットGPTは実際に読んだ結果をまとめて教えてくれるのである。

 ただし、教えてくれる相手が本当に正しいかどうかは別。デジタルネーティブ世代の若手社員ほどネットの誤情報をうのみにしやすかったりするのと同じだ。

 少し前まで“チャットGPT自身に書かせてみた”式の本が多かったのでその類書かと思ったら、本書はチャットGPTの可能性や課題についてITライターがデジタル企業の最高技術責任者に質問したもの。チャットGPTをうまく使うコツのひとつは質問を重ねていくこと。それがわからないという人は本書の対話を参考にするといいだろう。

 実は生成AIは生成の中身(推論の過程)がブラックボックスになっている(何を根拠にしたのか不明)という特徴がある。「情報の根拠は何?」と尋ねるだけでも正確さはぐっと上がるはず。

(インプレス 1540円)

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