公開日: 更新日:

「豊臣秀長」和田裕弘著

 今年の大河ドラマの好調な滑り出しにあやかった豊臣兄弟ブーム。



「豊臣秀長」和田裕弘著

 秀吉の天下統一の夢を支え、優秀な「補佐役」として天下人の実現を果たしたのが実弟・秀長……と、ここまでは大河ドラマの解説には必ず出てくる基礎知識。しかしその具体的な中身はというと、はっきり言って知らないという人がほとんどだろう。

 織田信長から豊臣秀吉へ続いた時代を「織豊期」という。本書の著者はこの時代の専門家としてよく知られた歴史家。特に信長に関しては日本全国の史料をくまなく調査した定評の持ち主だけに、最初に手に取る一冊としては最適だろう。

 秀長は兄の単なる補佐役にとどまらず、政治・軍事ともに優れた「名代」だったと著者は言う。頭角を現したのも兄の取り立てだけではなかった。秀長はかつて「長秀」を名乗ったが、この「長」は信長から一文字をいただいたもの。信長は秀吉とは別に秀長のことも高く評価したことがうかがえる。千利休とも親しく、秀長と利休は「初期豊臣政権の両輪」といわれるほどの功績があったという。兄よりも早く、50歳そこそこで亡くなったが、後継者たる実力を備えた人物であったことは間違いないようだ。 (中央公論新社 1100円)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    U18高校代表16人の全進路が判明! プロ志望7人、早大&青学だけで計4人、社会人は2人

  2. 2

    「タンス預金2000万円」相続税はどうやってバレる? 税務署が追う“亡き親の出金”

  3. 3

    巨人“37歳大物トリオ”の来季はどうなる?「田中将大は楽天に帰すのでは」の見立てまで

  4. 4

    中学時代をジャージーで過ごした鈴木奈穂子が、法政大女子高から大学に内部進学してNHK人気アナになるまで

  5. 5

    田中将大が楽天を去った本当の理由…退団から巨人移籍までに俺とした“3度の電話”の中身

  1. 6

    小川晶市長の“ラブホ密会”はなぜ許されたのか? 《前橋の有権者の感覚疑うわ》との批判も

  2. 7

    北島三郎(4)「毎日が目標です。後ろへは戻れない」 地元・八王子のイベントで生涯現役宣言

  3. 8

    佐藤輝明「三冠王」なら年俸いくら? メジャー流出阻止へ阪神が用意する破格の条件

  4. 9

    WEST.重岡大毅の結婚にファンの怒りと落胆…“祝福されないアイドル”がやらかす「3つの誤算」

  5. 10

    高市内閣“小幅”改造の真の目的…首相は「挙党体制」を建前に党総裁選のライバル潰しに虎視眈々