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「豊臣秀長」和田裕弘著

 今年の大河ドラマの好調な滑り出しにあやかった豊臣兄弟ブーム。



「豊臣秀長」和田裕弘著

 秀吉の天下統一の夢を支え、優秀な「補佐役」として天下人の実現を果たしたのが実弟・秀長……と、ここまでは大河ドラマの解説には必ず出てくる基礎知識。しかしその具体的な中身はというと、はっきり言って知らないという人がほとんどだろう。

 織田信長から豊臣秀吉へ続いた時代を「織豊期」という。本書の著者はこの時代の専門家としてよく知られた歴史家。特に信長に関しては日本全国の史料をくまなく調査した定評の持ち主だけに、最初に手に取る一冊としては最適だろう。

 秀長は兄の単なる補佐役にとどまらず、政治・軍事ともに優れた「名代」だったと著者は言う。頭角を現したのも兄の取り立てだけではなかった。秀長はかつて「長秀」を名乗ったが、この「長」は信長から一文字をいただいたもの。信長は秀吉とは別に秀長のことも高く評価したことがうかがえる。千利休とも親しく、秀長と利休は「初期豊臣政権の両輪」といわれるほどの功績があったという。兄よりも早く、50歳そこそこで亡くなったが、後継者たる実力を備えた人物であったことは間違いないようだ。 (中央公論新社 1100円)


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