公開日: 更新日:

「非武装中立のリアリズム」纐纈厚著

「存立危機事態」発言や「殺傷力ある武器」解禁など高市「軍国」政権に対する「非暴力というNO!」。



「非武装中立のリアリズム」纐纈厚著

 台湾有事問題に関する国会質問でイキがったために窮地に立たされる首相。その背景には、日米安保のおかげで日本は高度経済成長をなしとげたとする「安保繁栄論」の亡霊がある。これにしがみついた安倍政権の悪しき薫陶を受けたのが現首相なのだ。

 非武装論は国際政治の世界ではアイデアリズム(理想主義)の言説と思われがちだが、本書はリアリズムの立場で非武装中立を説く。近現代の政治軍事史を専門とする著者は、現代は世界史上でまれなほど「戦争のグローバル化」が進んでいるという。2度の世界大戦で未解決だった植民地主義と戦後の覇権主義が中東、ベトナム、旧ソ連のアフガン戦争などを経て戦争の日常化をもたらし、軍事技術の急発達を背景に世界秩序の中に組み込まれてしまったというのだ。

 たとえば「反撃能力」の名のもとに「抑止力強化」が進む現代日本。しかしこれは軍事力強化であり、具体的に沖縄・南西諸島は先の大戦で日本帝国の本土防衛の犠牲にされたと同様、米軍基地とアメリカの対中抑止の「捨て石」にされようとしているのだ。細かく論理を詰めながら「脱抑止・脱同盟」への具体的な展開を説く力作。 (緑風出版 2970円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「豊臣兄弟!」白石聖が大好評! 2026年の毎週日曜日は永野芽郁にとって“憂鬱の日”に

  2. 2

    川口春奈「食べ方が汚い」問題再燃のお気の毒…直近の動画では少しはマシに?

  3. 3

    あの人「なんか怖い」を回避する柔らかな言葉遣い

  4. 4

    自分探しで“変身”遂げたマリエに報道陣「誰だかわからない」

  5. 5

    (1)高齢者の転倒は要介護のきっかけになりやすい

  1. 6

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  2. 7

    「誰が殺されてもおかしくない」ICE射殺事件への抗議デモ全米で勃発

  3. 8

    解散総選挙“前哨戦”で自民に暗雲…前橋出直し市長選で支援候補が前職小川晶氏に「ゼロ打ち」大敗の衝撃

  4. 9

    業績悪化で減収減益のニトリ 事業の新たな柱いまだ見いだせず

  5. 10

    チンピラ維新の「国保逃れ」炎上やまず“ウヤムヤ作戦”も頓挫不可避 野党が追及へ手ぐすねで包囲網