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「『ナンバー2』の日本史」本郷和人著

「『ナンバー2』の日本史」本郷和人著

 テレビでも知られた東大教授による本書は、豊臣秀長を含む歴史上の「ナンバー2」を集めた雑学本だが、なにかと論争好きの著者らしく、冒頭から世の秀長人気に一石を投じる。「私の結論を先に述べると、秀長自身が何かに優れた人物だったかと言えば、そうでもない」「天下人となった秀吉に比べると、それは一目瞭然」というのだ。

 しかし、それが本書の狙い。歴史の大物に仕えたナンバー2の系譜をたどると、能力や地位よりも「家」が優位にあるという日本ならではの特質が見えるという。

 たとえば天皇ではなく上皇が行う「院政」、武家の場合なら「大御所」。現に織田信長は生前に家督を息子の信忠に譲ったが、それ以後も織田家の家臣団を動かしたのは信長だ。秀吉や家康も同じことをしている。

 つまり地位がナンバー2だからといって権力を持たないわけではない、というのが日本の特徴というわけだ。

 本書は天皇の補佐役である関白の地位で天下をほしいままにした藤原道長にはじまり、北条時頼、足利直義、足利義満を育てた細川頼之、豊臣秀長、鍋島直茂らを取り上げる。特に源頼朝・頼家父子に仕えた梶原景時には特段の思い入れが感じられる。 (早川書房 1320円)


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